不登校や引きこもりを経験された方が、「再び勉強したい」と思われたとき、
「どこから手をつけていいか分からない」ということがあるかと思います。
確かに長期間勉強から離れていると、どうやったらいいか
分からなくなるのも当然です。
どうやっていいか分からず、焦るばかりで、何も手に付かない・・・
そんな不安を解消する方法をお伝えします。
不登校や引きこもりに限らず、
小中学生や大学受験を控える高校生にもお役立ちのコラムです。
① まずは机に向かう練習から始めよう
勉強で大切なこと。
それは「習慣」です。
一週間のうちに一日だけ10時間勉強して、あとは何もしない、
は一時しのぎにはなっても、学力が蓄積されません。
それよりも一日一時間を週に五日続ける方が、
学力は伸びて行きます。
そのためにまず「机に座る」練習からです。
このとき机の上で漫画を読んでも、ネットをしても構いません。
まずは一日の決まった時間座る練習をしてみましょう。
勉強机というのは、思いの外「暗示力」があります。
座ってるうちにだんだんと「勉強したい」意欲が湧いてくるはずです。
② 勉強に必要無いものを机から取り除いてみよう
机に座る練習ができたら、ちょっと机の上を見渡してみましょう。
そこにはゲームや漫画、その他ついつい遊んでしまうようなものがあるんじゃないでしょうか?
人はついつい目に入るものに心を奪われがちです。
これは逆に言うと「目に入りさえしなければ心は奪われない」ということです。
ということで、掃除の意味も込めて、机の上を片付けてしまいましょう。
机の上に置くのは勉強に関するものだけ。
あとは押し入れにでも他の部屋にでも置いてしまいましょう。
こうすることで、「机に座る」=「勉強する」というメリハリを付けやすくなります。
環境づくりって大事ですよ。
③ まずは「確実にできるもの」から始めよう
学校を長く休んでいたりして、勉強をしていない期間があると、
「早く追いつかないと」と焦ってしまう気持ち、ありますよね。
けれど、ここは深呼吸です。
焦って難しい勉強から始めても、分からないことだらけでは
やる気も失います。
まずは自分ができることから取組みましょう。
たとえば今あなたが中2から休んでいたとします。
早く中2レベルを!と焦って難しい問題集を買ってしまいがちです。
そうではなく、まず確実に解ける中1レベルからスタートするのです。
こうやってまず頭の「ならし運転」をしましょう。
たとえば野球選手が怪我から復帰したとき、いきなり試合には出ません。
まずは二軍から身体を馴らしてから、徐々に復帰していきます。
そうしないとまた怪我をしてしまうからです。
やる気を持続させるためにも、また基礎の確認をするためにも、
まずは「確実に解ける問題」から取組みましょう。
④ 問題集は一冊が終わったら買うようにしよう
長らく勉強から遠ざかっていた人にありがちなのが、
「最初に問題集を大量買い」してしまうことです。
始めた頃は意欲も高いでしょう。
しかし一時的なやる気は長続きしません。
やがて大量にある問題集を見て「こんなにやらないといけない・・・」と
自分を追いつめてしまうこともあります。
問題集は一冊ずつ購入することです。
一冊が終わったら、次の一冊というようにレベルを上げて行くようにしましょう。
⑤ 一回で分からなくても大丈夫。問題集は三回繰り返すくらいの気持ちで!
問題を解き始めて、分からないところもでてきます。
分からないと落ち込んでしまうこともあるでしょう。
けれど心配無用です。
一回でできなくても、何度もトライしているうちに、
ぱーっと目の前が開ける瞬間がやってきます。
一回で解けなくても、「またトライすればいいさ」という気持ちで取組みましょう。
⑥ 復習は「翌日・三日後・一週間後」
図:エビングハウスの忘却曲線
たとえば今からあなたが10個の英単語を覚えたとします。
復習をしなかったら翌日にどれだけ覚えていると思いますか?
実は人の記憶は何の復習もしないと翌日には7割〜8割忘れてしまうと言われています。
つまり10個の単語を覚えても、翌日には2〜3個しか覚えていないのです。
これはつまり、「人は忘れる」ということです。
当たり前のことですが、これが分かっていない人が多いのです。
忘れて当たり前、だから「復習」をするのです。
そのタイミングとして効果的なのが、
記憶が薄れがちな「翌日・三日後・一週間後」です。
このタイミングで復習を行うと、頭に定着しやすくなり、
また忘れにくくなります。
なぜ忘れにくくなるかというと記憶が「引っ越し」するからです。
今覚えたことは頭の中の「短期記憶」という部屋に入れられます。
ここで必要な情報と認定されたものだけが「長期記憶」という部屋に引っ越しします。
その認定は脳が行うので、大事なことは「何度も繰り返す」ことで、
認定をさせやすくするのです。
「長期記憶」に引っ越ししたものは、そう簡単に忘れません。
(だって私たちだって長い間泳いでいなかったり、自転車に乗っていなくてもすぐ泳げたり乗れたりしますよね?)
この部屋に引っ越しさせるためにも、「繰り返す」ことが大切なのです。
⑦ 休む日も必ず作るようにしましょう
勉強は習慣化させることが大切です。
とはいえ、時にお休みすることも必要です。
だから「今日は遊ぶぞ!」という日は前もって決めておきましょう。
そうすることで「それまでは頑張ろう!」という気持ちも持ちやすくなります。
このようにメリハリをつけることで、
勉強の意欲も持続させられます。
「よりよい勉強をするために、休む」のです。
⑧ 「勉強手帳」を用意して「その日やったこと」を書き込もう!
いつまでに何をしよう、と「未来」の予定を決めることも大切です。
ただ、こういったものは、無理をして作ってしまうこともあります。
はじめのうちは特にですが、
「その日やったこと」を書き込むようにしましょう。
たとえば問題集を5ページやったら「英語の問題集p.10〜p14」というようにです。
その日やったことを記すことで、一ヶ月も経つと、
自分がどれだけ頑張って来たかがよく分かるようになります。
その内に「今日は何ページやったと書きたいから頑張ろう!」という気持ちになれれば大したものです。
⑨ 朝の時間を活用しよう
これは受験生に夏休みなどの長期休暇の際におすすめする方法です。
朝や昼間に勉強を済ませてしまい、夕方以降はのんびりタイムを過ごすのです。
一日の中でリラックスする時間を作ることができると、
また明日も「頑張ろう」と思いやすくなります。
あとに勉強が残っていてテレビを観ながら「ああ、勉強しないとな〜」と思うよりも、
先に片付けてしまって、あとは存分にリラックスタイムを過ごす方が気持ちの切り替えにもなります。
特に昼夜逆転がある方は、朝にあえて予定を入れることで、
改善のきっかけにもなりますよ。
最初にお伝えしたように、学力を上げる唯一と言ってもいい方法は、「習慣化」です。
最初から飛ばさず、まずはできることからちょっとずつ始めていきましょう。
慣れて来たら徐々にレベルをアップさせていくのです。
良きプロセスは良き結果を生み出します。
焦らずできるところからスタートしましょうね。
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